Time is money

日常のこと、web関連、映画の感想について書いていきます

ベンチャーに飛び乗ってから1年が経った

こんにちは!

徐々に寒さが増してきて、秋を感じるようになりましたね。

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2017年9月1日、delyという名もないベンチャーに飛び乗ってから丸1年が過ぎました。

たった1年しか過ぎてないけれども、4~5年くらい経った気がしています。

1年経ってみての所感を書いておこうと思います。

 

1. 1年間を振り返って

まず、僕は去年の8月 (2016/8/31)まで理工系の大学院に通っていて、化学系だったので毎日のようにフラスコを振る生活していました。その時の考えなどを書いていたので、下記をご覧いただけたら幸いです。

okutaku.hatenablog.com

総じて思うのは、悔いはないということです。研究室など様々な方に迷惑、家族には不安を与えたと思うので、大変申し訳ないと思っています。僕個人としては、化学系かはたまたIT系かと揺れている中で、ぐいっとIT系に舵をとったことに後悔はないです。休学という道もありましたが、もう戻る場所はないということが僕自身を奮い立たせてくれたので、退学という選択は正しかったと思っています。

また、タイミングとしてもdelyが復活の狼煙を上げつつある中に飛び込めてよかったと思いますし、僕も微力ながら組織、サービスの成長を支えていると実感できているのは良かったなと感じています。と言っても内部から客観的にみていても、まだまだやることは無限にあり、人も全く足りてないので、これからも勝負であることに変わりはないのかなと思っています。

僕は、エンジニアとして働いているのですが、この1年間、1日たりともコードを書かなかった日はないと思います。その理由については後述しますが、やはり一番はコードを書くこと、サービスを作ること、そして同じ目線で話せる組織で働いていることが最高に楽しいと思うからです。

と言いつつも、まだ1年しか経ってないので、まだまだこれからです。

 

2. 学生というバッジを捨てて

学生には特権があると思っています。

それは、ちょっと頑張れば色んな方にお会いすることができて、様々な経験をすることができるという特権です。

学生でエンジニアをしていて、かつ自分のプロダクト・サービスを運営していたりすると「なんだこいつ、面白そう」と、様々な方が大切な時間を割いて会ってくれたりします。

また、学生限定のイベントが多かったりして、同世代の尖った方達とも比較的容易にコネクションを持つことができたりします。

そして、大した技術やスキルがなくても「まだ学生だから〜」というフィルターを通して、自分を拡大させることができていたと思います。

僕が学生だった頃は、そういった意味でかなり優遇されていたと感じる場面もありました。

しかし、社会人になると、当たり前ですが「〜会社の〜さん」のように、どこどこに属する人と見られるようになります。そうすると、会社や職種というフィルターが加わり、単純にお会いできる機会が減ると思います。僕自身の要因が大きいかも知れませんが、メッセージサービスなどから直接お声がけされる機会も学生時と比べると減ったように思われます。

そして、一層自分のブランディングとそれに伴う実力が大事だと感じるようになりました。面接などで様々な方とお会いする機会があると、その方が何をしていたか、お会いする前にググって調べてたり、ポートフォリオ、登壇歴、ブログなどを確認します。その時に、どこかの記事で取り上げられていたり、登壇されている回数が多かったり、ポートフォリオで実力が大体はわかったり、ブログで思慮の深さがわかったりします。今では、ほとんどwebに情報が落ちていたりするので、自分も気をつけています。

www.buzzfeed.com

 ヨッピーさんの記事にもあるように、これからは発信することがめちゃくちゃ大事になってくると思っていて、このブログや登壇、OSSなどの活動を通して発信力を高めて行かないとと日々感じています。

 

3. ベンチャーで働くということ

僕の場合、小中大企業に勤めたことはないので、それらとの比較はできません。また、ベンチャーとスタートアップがごっちゃになりそうなので、ここでは、「創立して数年で社員も2桁の新しいことをしている企業」とざっくりした定義で書きます。

僕は結局は同じなんじゃないかと考えています。

IT系のエンジニアに関していえば、どこの企業に行ったとしても、プログラムを書いているだろうし、極端に小さなベンチャーでは自分がフルタイムでコードを書かないといけないど、組織規模が大きくなっていけば、自ずとマネージメントに回ることもあります。関わるサービスに関しても、サービスの数は大きい会社の方が多いかも知れませんが、ベンチャーにいても一つのサービスの規模が急激に大きくなる可能性はあるし、自分が直接に関わるサービスとなると、その数は限られるはずです。その分、ベンチャーの方が裁量や役割が自ずと大きくなる可能性が高いかも知れません。どっちにも良し悪しがあるので、その議論はしません。

どの企業にいても、自分がやりたいこととの乖離が大きくなれば、転職を考えるだろうし、給与に関してもドドドベンチャーでキャッシュが尽きそうでない限り、決して低くすぎることはないと思います。

 

この1年間でもっとも思うことは、「あれ、まだ1年しか経ってないんだっけ?」ということです。体感的には、冒頭でも書きましたが4~5年くらい経った気がします。ベンチャーだから体感速度が早いとは言いませんが、この1年だけで、様々なことが起こり、環境も組織も急激に変化してきた気がします。下の記事にもあるように、本当に1年後に会社が残っているかわからないので、成長を止めることなくさらに急激な曲線を描かないといけません。

また、研究室にいた時のような上司がいて、学部・修士でテーマが与えられ、毎週フィードバックがあるみたいな環境は1ミリもありません。ほとんどの場合仕事は降って来ないし、自分から見つけないといけないわけです。だからこそ、考えることを止めずに、何をすれば、経営的インパクトがあるのか、ユーザーにより愛されるサービスにできるのかを常に考える必要があり、自分が考えたアイデアがすぐさまサービスに反映され、大きな成果があると、達成感と充実感が生まれます。いつも大きなリターンがあるとは限らないので、主体的に取り組んだ小さな成功体験の積み重ねが自信を持たせてくれたり、さらに踏み出すきっかけにもなると思います。

lrandcom.com

 

ここまで書いて来ましたが、結局のところ、自分がやりたいと思ったことに200%くらい自分のリソースをぶっこめる環境があり、目標が達成されたとしても、まだまだやりべきことが出て来て、さらに大きな目標が出現して、、、

そんな刺激的な環境に身を置けるならば、ベンチャーじゃなくてもいいのではないかと思います。

 

4. 僕を前に突き進めるもの

1年間、全速力で走れる人はごく稀です。心が折れることなく、倒れそうになりながらも心を奮い立たせてきた理由を考えた時に、大きく3つ思い浮かんだのでそのことを書きたいと思います。

結論から言えば、「劣等感」「楽しむこと」「一緒に働く人」です。そのことを詳しく書いていきたいと思います。

 

まず初めに、「劣等感」についてです。別にネガティブに思っているわけではないですが、僕は常に「自分は全くダメだ」と思っています。社会人になって周りを見渡せば、本当にすごい人ばかりで、プログラマで言えば巨大なOSSのコミッタだったり、誰しも知っているサービスのリードエンジニアだったり、能力的にも何でも爆速でこなす人など、色々います。いつ寝てるんだろうと思うくらい、めちゃくちゃ仕事をしていて、かつアウトプットの質も驚くほど高い人もいます。優秀な人がひしめいていても、自分の長所を活かして光輝いている人もいます。そういう人と会う度に、「自分には何もない」と心の底から思う時があり、その度に心の中で「くそ!くそ!くそ!」と叫び、昨日の自分よりも前に進むために今日何ができるだろうと迷走して、結局は目の前のことに全力になるしかないことに気がつきます。そんな日々を繰り返しているうちに、また劣等感に苛まれて、このままじゃダメだ!と、自分を奮い立たせています。常に押し寄せる劣等感こそ、僕の原動力ではないかと思います。

 

次に「楽しむこと」についてです。学生時代、自分が組んだプログラムが瞬時に実装され、見える形になったり、自分が作ったサービスを多くの人に使ってもらうことが一番の幸せでした。プログラミングをしていると時間を忘れて、徹夜をしていたり、つり革に捉まっている時も、あーでもない、こーでもないとエラーの内容を考えていたりしました。1年間、毎日欠かさずプログラムを書き続けることができたのは究極的にはプログラムを書くことそのものが楽しいからだと思います。また、サービスを開発している立場としては、やはり多くの人に自分が開発したサービスを使ってもらい、かつ良いレビューをもらえるとこの上なく嬉しく感じます。

www.ted.com

よくTEDを見ているのですが、ダニエル・ピンク氏のこのトークは一見する価値があると考えています。このトークの詳しい内容は是非時間がある時に見て欲しいのですが、人は本質的には「内発的動機付け」に従うことが、モチベーションを維持し続け、質の高いアウトプットができるということです。自分の中で沸々と湧き出てくる「本当は何がしたいのか?」という心の叫びに従い、全力を投じることで、長いモチベーションにも繋がり、成功も積み重なるのかなと感じています。

 

最後に、「一緒に働く人」です。3つ目に書いているのですが、やはり誰と働くのか、もっとも大事だと思います。僕が大学院を飛び出してでも、delyに来た理由もこれに尽きるのかなと思っています。いくら内発的なモチベーションに突き動かされても、いくらプログラムを書くことが好きであっても、長期的にやる気を保ち続けるのは至難です。ちょっと堕落してしまう時があったり、色々うまくいかずに心が折れかかってたとしても、一緒に働く同じ目線、目標を全力で目指している仲間がいれば、そのモチベーションが伝染すると僕は考えています。また、僕自身が120%力を傾けていようと、さらに本気で成功を信じて突き進む仲間が近くにいれば、もっと頑張ろうと思えるものです。なんなら、自分の本職を定時までこなしてから、オフィスに来て終電間際まで作業をしている仲間もいて、その度に自分ももっとやれると鼓舞されます。いくら遅くまで働いていようと高い質のアウトプットができてなければ、元も子もありません。そんなことはわかっていても、必死になって頑張る姿は皆んなを勇気付け、心を奮い立たせてくれると僕は信じています。

 

5. 最後に

最後となりますが、では次の1年をどうしたいのかを軽く書いて、あとで見直せるようにしたいと思います。

この前の誕生日に際して書いた記事とほぼ同じになりますが、「今に全力になること」を目標にしたいと思います。

okutaku.hatenablog.com

もっと具体的な目標もあるにはありますが、半年後もどうなっているのか予測もできない世の中なので、ふわっとした感じがいいなと思います。兎に角、中長期的なことも見据えつつ、目の前の課題を効率よくこなして、自分の見えている景色をさらに広げることに注力していきたいです。

 

最後になりますが、本当に1年でどうなるかわからないもので、去年の今頃はエンジニアチームは僕とデザイナー、CTOの3人だけで、サービスも伸びてくれと信じてはいたものの、本当にここまで来るとは思ってもみなかったです。組織も本当に優秀な方々が集まってくれ、できる幅も広がり、どんどん面白くなって来ています。新規事業・新規サービスも産声をあげ、さらにやりたいことが増えました。かと言って、僕らはまだ何も成し遂げてないし、未だギリギリの戦いの中、自転車を前のめりに立ち漕ぎしているような状態です。

僕なんか塵みたいな優秀な方がどんどん入って来て欲しいし、そのくらいの逆境の方が僕個人としても面白いので、ぜひ一度お話だけでも聞きにきてください。

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